特殊清掃の企業としてブランド力を上げるUSPを考える

USP

ここで言うUSPとは、Unique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)のことです。簡単に説明すると「USP」は「自社の独自の売り」だと思っています。「競合他社にはない、自社だけがユーザーに提供できる独自の強みや価値、便益」を明確に言語化したものです。
私たち特殊清掃の企業では、この「USP」を深く考えている事例が少ないため、競合他社との差別化のため、更にブランド力を上げるために「USP」を是非考えなければならないと思いました。

目次

特殊清掃の企業としてUSPの重要性

「核家族化」と「高齢社会」が進む日本において「遺品整理」の必要性や「孤独死」の増加に伴い、遺品整理や特殊清掃の会社は年々、増える一方です。競合他社が多くなった市場で、自社なら提供できる独自の価値を明確に打ち出すことで、価格競争を避けユーザーに選ばれる優位性を確立しなければなりません。そのため特殊清掃業を営む企業にとって「USP」は必要不可欠です。「USP」のメリットを3つ取り上げました。

ブランド認知が強化

企業サイト、企業ブログ、オウンドメディア、SNS、広告などあらゆるマーケティングチャネルで一貫したメッセージを発信することでブランド認知が強化されます。

ターゲットへのアプローチ

USPは特定のユーザーに強く響くように設計されるため、自社が望む最適なユーザーを引き寄せることができます。

過度な価格競争とは無関係

明確な自社独自の価値があれば、価格以外の要素で勝負できるため、過度な価格競争から一線を画すことができます。

効果的なUSPの3つの条件

一般的に効果的なUSPには、以下の3つの条件が必要とされます。

  • ベネフィット(ユーザーにとってどんな恩恵があるのかを明確に伝える)
  • ユニーク(競合他社が提供できない、あるいは提供していない独自の強みである必要がある)
  • セリング( ユーザーの購買意欲を刺激するほど魅力的で強力な訴求力が必要です)

USPの成功事例を調べて見た

有名企業のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)の成功事例を調べました。

ドミノ・ピザ

「30分以内にお届けします。間に合わなければ無料になります」

ピザの味ではなく、「速さ」という価値を前面に出したUSP

  • Uユニーク(特徴)・・・・・・・「間に合わなければ代金は頂きません」
  • Sセリング(強み)・・・・・・・「30分以内でお届けします」。
  • Pプロポジション(メリット)・・・「熱々でジューシーなピザ」

スターバックス

「家でも職場でもない、もう一つの居場所」

コーヒーの味ではなく、「リラックスできる空間」を売っていることを前面に出したUSP

  • Uユニーク(特徴)・・・・・・・サードプレイス(第三の場所)
  • Sセリング(強み)・・・・・・・心地よい空間と接客
  • Pプロポジション(メリット)・・・自分だけのくつろぎ

佐川急便

飛脚の精神(こころ)」に基づいた、担当者による一貫したサービスと地域密着型営業

「荷物を運ぶ」という機能価値だけでなく、「担当者が責任を持って対応する」という人的・情緒的な価値を提供したUSP

  • Uユニーク(特徴)・・・・・・・大型荷物対応
  • Sセリング(強み)・・・・・・・企業物流特化
  • Pプロポジション(メリット)・・・多様な課題解決

アスクル(ASKUL)

「明日来る」

オフィス用品の注文から配送までのスピードに焦点を当てた非常に分かりやすいUSP

  • Uユニーク(特徴)・・・・・・・「翌日配送」
  • Sセリング(強み)・・・・・・・「自社物流網」
  • Pプロポジション(メリット)・・・「すぐ届く安心」

ダイソン

吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機

紙パックを使用しないため、パックやフィルタの目詰りによる吸引力低下がおきないといった商品の特徴を、明確にしたUSP

  • Uユニーク(特徴)・・・・・・・「吸引力が変わらない」
  • Sセリング(強み)・・・・・・・「世界でただひとつの掃除機」
  • Pプロポジション(メリット)・・・「コードレスで他のコードレスの10倍吸引力」

マインドカンパニー合同会社のUSPを考える

特殊清掃の企業におけるUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)は、「自社サービスを選ぶべき明確な理由」を提示するための独自の強みや価値提案です。自社では少し文字数多いですが、こんなUSPを考えました

国際基準と日本独自の施工法の二刀流で、臭いと痕跡をゼロ化する特殊清掃

  • Uユニーク(特徴)・・・・・・・二刀流施工
  • Sセリング(強み)・・・・・・・国際基準+国内独自施工法
  • Pプロポジション(メリット)・・・完全無臭・無痕
成果が明確 『臭いと痕跡をゼロ化』

どこまで仕上げるのか”を明確に約束 しており、市場にある凡庸な表現(キレイにします/原状回復など)との差別化している

言語的インパクトが強い 『ゼロ化』

短く、語感が鋭く、コピーとしての訴求力が高い

差別化ロジックが明確 『国際基準 × 日本独自施工法』

「なぜゼロ化できるのか?」の 理由(根拠) がUSPにセットで含まれており、説得力のある構造になっている

USPの基本構造

  • 主張(ゼロ化)
  • 理由(国際基準 × 日本独自施工法)

が揃っており、理想的に思います。

まとめ|総合評価

国際基準と日本独自の施工法の二刀流で、臭いと痕跡をゼロ化する特殊清掃

  • 差別化が明確
  • 成果(ベネフィット)が明確
  • 語感が強い
  • 端的で覚えやすい
  • コピーとして魅力がある

「ゼロ化」表現によってユーザーは「任せれば完全に片がつく」を想起でき、安心感と依頼動機を両立しています。
競合との差別化 → 明確顧客への価値 → 端的に伝わるつまり、「覚えられ、選ばれるUSP」を考えました。

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この記事を書いた人

2008年より遺品整理・特殊清掃の業務に関わって今日までたくさんのノウハウを蓄積出来ました。2023年には清掃業界の先進国であるアメリカへ渡り、RSAで研修を受け【TCST】Trauma and Crime Scene Technician (特殊清掃)や【FSRT】Fire and Smoke Damage Restoration Technician (火災復旧)に関する『 IICRC 』の国際資格を取得しております。

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