私たち特殊清掃業者は、ほぼ毎日の仕事で車両を使います。見積の訪問から作業現場、または廃棄物の処理など。その際に使い勝手良いのが、軽トラックです。数年前にホンダが軽トラの生産を取りやめたことで、現在はダイハツとスズキの2車種(OEMを除く)しか新車では購入できません。この記事では同業者向けに、軽トラを選ぶ際の注意点、軽トラック架装が得意な自動車販売会社も合わせてご紹介いたします。
ノーマル3枚から純正オプションで4枚へ(リーフ増し)が最適な訳
当社で購入した軽トラは新車・中古車を問わず、全て4枚へリーフ増しされた車両のみ選択しています(耐久性を考えての選択です)。軽トラの寿命は短いが長く乗るためには、リヤサスペンションのリーフスプリング(板バネ)をノーマル3枚から純正オプションで4枚へリーフ増しするのが好ましいと思います。軽トラの積載重量は350㎏ですが、私たちは空荷で走ることが少なく、リーフ増しすることでボディーの負担が少なくなると思います。


選択するタイヤによって荷重制限が異なることご存知ですか?
一般的にタイヤサイズとホイールサイズのマッチングを気にする人は多いですが、タイヤサイズ以外にロードインデックス(荷重指数)まで気にされる人は少ないです。
- 数値が大きいほど、荷重能力が高いことを意味します。
- 車種ごとに指定されたロードインデックスを下回るタイヤを装着することは、安全上の問題から禁止されています。


タイヤの強度を増すために何重にもキャンバス(布地)を貼り重ねた構造にして、貼り重ねた枚数が6枚だから「6PR(ロク プライ・レーティング)」と呼ぶ。
※空気圧350kPaまで入れられ、1輪あたり450kgの荷重まで耐えられます。
一方で貼り重ねた枚数が8枚だから「8PR(ハチ プライ・レーティング)」と呼ぶ。
※8PRだと空気圧450kPaまで入れられ、1輪あたり520kgの荷重まで耐えられます。
軽トラでもオールシーズンタイヤはある
数年前まで夏の路面から冬の雪道まで1年を通して使用できる軽トラ用の全天候型タイヤは存在しておりませんでした。しかし最近になって軽トラ用のオールシーズンタイヤが市販されるようになりました。


現在、市販されている軽トラのエンジンは3気筒


- 軽バン(ハイゼットカーゴ・エブリィ)のように純正ターボエンジン(過給機付き)車両がラインナップされていない
- 2020年9月に新東名高速と東北道の一部区間で、最高速制限が120km/hに引き上げられたが、過給機無しのエンジンでは120km/h制限の流れに乗って走れない
- エンジンの搭載位置が運転席の真下にあり、エンジン音がうるさい
- 中には30万キロも走行している軽トラありますが、エンジンの耐久性はせいぜい20万キロ程度と考えた方が良い
4気筒エンジン耐久性重視の軽トラが2012年で撤退


- 軽トラ好きは製造中止から10年過ぎたが2012年迄の中古車を好む(特に5代目・6代目が大人気)
- (軽トラ唯一)4気筒エンジンにつきトルクが太い。登坂では有利
- (軽トラ唯一)上位グレードにはスーパーチャージャー(過給機付き)エンジン搭載もある
- (軽トラ唯一)当時のスバルはコスト度外視で4輪独立サスペンションを装着
- 愛称は「農道のポルシェ」と言われリヤエンジン搭載でリヤ駆動。このレイアウトがポルシェ911と同じ。空荷でも安定感ある走りが良い
究極の軽トラは2012年迄スバル自社生産の赤帽サンバー


- この当時の20万キロ保証エンジンは現在では信じられないサービス。実際には50万キロ程度までの耐久力あると言われている
- 赤帽の組合から「タフで使い勝手のいい軽トラックを出して欲しい」という要望を各自動車メーカーに打診したところ唯一、富士重工業(スバル)だけが応じた
- ドリンクホルダー4つ、長距離でも疲れないシート、高照度ルームランプ、収納式ハンドブレーキレバー、フロントベンチレーテッドディスクブレーキ、赤帽専用4気筒電子制御燃料噴射エンジンなど通常のサンバー軽トラと違う細かい変更箇所は他にも多数ある
CVT、AT、5速ギヤ(マニュアル)の選択とは
商用車両ではCVTやATよりも5速ギヤが相変わらず人気高い傾向にあります。しかし現在の若者の多くがオートマ限定の免許しか取得しておらず、5速ギヤを選択肢から外したとしてもCVTとATがあり、特殊清掃会社としてはどのギヤの車両を選択すれば良いのか? 悩むところかもしれません。ここでは最近、人気あるCVTのメリットやデメリットを解説いたします。


- 燃費が良い。CVT車はエンジンの回転を無駄なく車輪に伝えられるので、燃費がよくなります。
- CVT車は従来のAT車と比べスムーズに無変換での変速ができます。
- CVT車は基本的にメンテナンスが不要な構造に作られています。
- 日本の地形や交通事情と相性がよいCVT車ですが、AT車に比べると故障しやすい傾向にあります。
- CVTの故障を防ぐには、「CVTフルード」と呼ばれるオイルをこまめに交換する必要性がある。
特殊清掃には平ボディより架装軽トラが最適
実際に使うと分かりますが、平ボディの軽トラは本当に積載能力が低いです。そのため架装した方が業務がスムーズに運びやすくなります。但しここで注意点があり、架装軽トラに仕上げると構造変更届をしなければならない。そのため車検時や新車購入時に軽トラの荷台を架装するタイミングがベストです。自社が知っている範囲だと全国に軽トラの架装を行う専門店は3社あります。比較検討できるように、それぞれのウェブサイトをリンクしております。
まとめ
特殊清掃業務で活用する際の軽トラ架装の選び方は選考になったでしょうか? 4気筒エンジンや4輪独立サスペンションの軽トラは今現在、製造しておりませんが、最近なってオールシーズンタイヤも市販されて、以前より少しだけ軽トラの使い勝手良くなったように感じます。あなたはどう感じますか?


自社のハイゼットはカワハラボディーで制作されており、荷台は4.5㎥の積載が可能です。平ボディよりは遥かに収容能力が高くなりました。



