特殊清掃業者用「作業完了報告書」テンプレートを公開

作業完了報告書

特殊清掃業界において、適切な作業記録と報告書の作成は、お客様や管理会社様からの信頼を獲得する上で欠かせない要素です。しかし、「どのような項目を記載すればよいのか」「どこまで詳細に記録すべきか」といった悩みを抱える事業者様も少なくありません。

そこで今回、実務で即活用できる特殊清掃作業完了報告書のテンプレートを公開いたします。このテンプレートは、現場での実作業に基づいた実践的な内容となっており、不動産管理会社様等への提出書類としてそのままご利用いただけます。

目次

テンプレートの構成(全10ページ)

本報告書には、特殊清掃作業において記録すべき全ての要素が含まれています。

スライド1: 表紙

  • 提出先、物件情報、作業実施会社の基本情報
  • 案件番号による管理

スライド2: 物件情報・案件概要

  • 詳細な物件住所、管理会社情報
  • 発見日・依頼日のタイムライン
  • 発生場所、推定経過日数
  • 立入制限・鍵情報

スライド3: 作業概要

  • 作業日時(開始〜終了時刻)
  • 作業人数・車両台数
  • 安全衛生対策、感染対策
  • 近隣配慮、立会者情報

スライド4: 作業内容詳細

  • 8段階の工程別作業内容を詳細に記載
  • 汚染範囲図への参照

スライド5: 使用資機材・薬剤一覧

  • 機材: オゾン発生器、HEPA集塵機等
  • 薬剤: 濃度・希釈倍率の記録
  • 消耗品: 防護服、手袋、マスク等の数量
  • 特記事項欄

スライド6〜8: 写真記録

  • 作業前後の比較写真を6パターン収録可能
  • 撮影日時の記録
  • 個人情報マスキングの注意書き

スライド9: 消臭・除菌処理記録

  • オゾン処理の設定濃度・処理時間
  • 噴霧・拭上げの記録
  • 臭気測定値(作業前後)
  • ATP値による清浄度確認
  • 再処理の必要性判断
  • スライド10: 廃棄物処理報告

スライド10: 作業完了確認・特記事項

  • 引渡し状態の確認
  • 原状回復・修繕提案
  • 立会確認(署名・押印)
  • 鍵の返却記録
  • 臭気再発リスクと推奨再測定日

「作業完了報告書」の活用メリット

業務効率化

入力箇所が明確なため、現場作業後の報告書作成時間を大幅に短縮できます。

信頼性の向上

詳細かつ体系的な記録により、管理会社様や関係者様からの信頼を獲得できます。

法令対応

安全衛生管理、廃棄物処理等、法令で求められる記録を漏れなく実施できます。

トラブル防止

作業前後の写真記録、測定データにより、後日のトラブルを未然に防止できます。

品質の標準化

テンプレート化により、作業者による品質のばらつきを防ぎ、会社全体のサービスレベルを向上できます。

この「作業完了報告書」は手抜き作業を行っている業者との差別化ができる

この「作業完了報告書」に記載ある臭気測定器、ATP測定器を導入し、数値による客観的評価を実施していない同業者も多いと聞きます。業者によっては、臭気測定器やATP測定器のツールを会社に用意していない場合もあり、今回のような「作業完了報告書」に臭気データのビフォーアフターや清浄度(菌数)のビフォーアフターを提出できない訳です。したがって安さだけを売りにして、手抜き作業を行っている業者との差別化ができるため、この「作業完了報告書」はなくてはならないツールの一つです。

まとめ

特殊清掃業界において、適切な記録と報告は、プロフェッショナルとしての信頼の証です。このようなテンプレートを活用することで、業務効率化と品質向上を同時に実現し、お客様や管理会社様からより一層の信頼を獲得できることと思います。

※画像はクリックで拡大できます

作業完了報告書 1
作業完了報告書 2
作業完了報告書 3
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この記事を書いた人

2008年より遺品整理・特殊清掃の業務に関わって今日までたくさんのノウハウを蓄積出来ました。2023年には清掃業界の先進国であるアメリカへ渡り、RSAで研修を受け【TCST】Trauma and Crime Scene Technician (特殊清掃)や【FSRT】Fire and Smoke Damage Restoration Technician (火災復旧)に関する『 IICRC 』の国際資格を取得しております。

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