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【年間200件の事例】から学ぶ「孤独死対処方法」

近所がゴミ屋敷だった時はどうしたらいいの?

ゴミ屋敷

新しく引っ越した土地で、下見の時には気づかなかった近隣のゴミ屋敷の存在に気づき、お困りですか?
また、古くから住んでいる土地でも、近隣の方がゴミをため込むようになってお困りの場合もあるでしょう。
あるいは、遠くに住んでいる親戚が最近、ゴミ屋敷として近隣に苦情を言われているなどのケースもあるでしょう。
今回は、近所にゴミ屋敷があった場合の対処、迷惑を及ぼす点、行政や警察への相談の方法について説明します。

1.ゴミ屋敷は具体的にどこが迷惑となっているのか?

MEMO
ゴミ屋敷が作られてしまう理由には、ホーディングと呼ばれる異常な収集癖や、一部の精神疾患が原因となっているという説があります。

汚部屋

しかし、精神疾患を持っている人や収集癖のある人でも、健全な住環境を維持できているケースがほとんどなため、ゴミ屋敷を発生させてしまう明確な原因についてはあきらかになっていません。

またゴミ屋敷の住人は、居室のゴミ由来の問題だけでなく地域で孤立し、他の問題も抱えているケースが多くあります。
自宅や所有建物がゴミ屋敷になっていながら、周囲と良好な関係を保っている、健全な社会生活を送っているという場合はまずありません。
ゴミ屋敷と言われる、ゴミをため込んだ家は、具体的にどういった迷惑を周囲に及ぼすのでしょうか。
単に個人のスペース、所有する不動産の敷地内でなにを置こうが基本的には周囲には関係のない出来事のはずですが、現実ゴミ屋敷の周囲では、多くの人が迷惑をこうむっています。
個人の問題に収まらない、ゴミ屋敷の実際の迷惑内容について、まず説明します。

ゴミ屋敷と化している家は、概ね3点の問題を地域に起こしています。

1つ目はゴミによる悪臭です。

MEMO
生ゴミをため込んでいた場合、ゴミが腐敗することによる悪臭に近所の方々が悩まされることとなります。
悪臭はやはり夏場などには激しくなるため、近隣の方々にとっては暑い折でも窓を開けられないなどの支障が出ます。
無論、外に干した洗濯物に臭いがついてしまうため、洗濯物の外干しができなくなるなどの害もあります。
また通りがかった際にも悪臭がするため、近隣住民の方々の通勤・通学の際などにも多大な迷惑をこうむることになります。

生ゴミでなくても、産業用の廃棄物の独特の臭いや、不衛生なホコリの飛散など、ゴミをため込むことによる臭いの害や周囲のホコリの増加などをがもたらされます。
周囲の住民にとっては、自分の敷地や建物内でいくら消臭を行ったとしても、当のゴミ屋敷にゴミが増え続け、風にのって臭いが発散される状態では大きな解決が望めないため、臭いについての害は特にトラブルになりやすいと言えます。

次に2点目は、害虫、害獣の問題です。

注意
ゴミに沸くゴキブリ、ハエ、ネズミなどが、当のゴミ屋敷の敷地内だけでなく近隣の建物でも格段に増加して見受けられるといった状態があります。

害虫

こういった害虫・害獣の発生は、環境を不衛生にするだけでなく、伝染病や食害なども引き起こすため、やはり近隣住民にとってはかなりの負担になります。
周囲の家々でも害虫や害獣の駆除の費用が掛かるばかりか、害虫・害獣の糞などの発生によって、小さい子供や体質の弱い人などによってはアレルギー疾患や喘息の引き金になることもあるため、健康被害に発展する場合が多く考えられます。
臭いと同じく害虫・害獣についても、周囲の家で駆除や掃除を頻繁に行うようにしても、発生源であるゴミ屋敷の場所では何の対策も行われていない場合が多いため根本的な解決に至らず、周辺の住民は大きな悩みを抱えることになります。

3点目は、火災や家屋そのものの崩壊の危険です。

注意
ゴミが敷地内や建物の中にいっぱいに置かれている状態では、火災やゴミの山の崩壊、家そのものの崩壊による事故が起こりやすい状態になっています。

孤独死部屋

集められたゴミの中に、スプレー缶やカセットボンベなどのゴミが混ざっていた場合、夏場の高温環境下で爆発して火災に発展する危険性もあるため、やはり危険といえます。
特に火災は近隣への延焼の危険もあるため、近隣の方々は常に警戒を強いられることとなり、相当の迷惑が生じています。
臭いや害虫や害獣は日常的に迷惑が発生しているのに対し、こういった火災や崩壊の危険はいつ起こるかわからないため、また別の種類の迷惑となります。
また家屋が崩壊した巻き添えや、火災の延焼などは、直接深刻な命の危険をもたらすこともあるため、日常生活においての大きな心配要因となってしまいます。

ゴミ屋敷といわれる状態はこのように、大きく分けて3点の迷惑を周囲にかけています。
多くの場合、ゴミが該当の家からはみ出し、公道や近隣の敷地にまで及んでいる場合も多く、その処分を巡って近隣トラブルが発生している場合が多くあります。

MEMO
概ね、ゴミ屋敷の住人当人は集めているゴミのことを必要な品、自分の所持品と考えている場合が多いので、たとえ敷地からはみ出した場所に置かれていたゴミについてでも、周囲の人が勝手に処分することへ激しく抵抗します。
抵抗する際も過激な言動や行動に出ることが多いため、多くの場合は近隣住民と深刻なトラブルをかかえることになります。
その結果、地域で孤立しているケースも少なくありません。

2.行政の対応はどうなっているのか?

では、こういったゴミ屋敷への対処は、具体的にどういった形で行われるのでしょうか。
最初の段階では、警察や行政への相談といった形で声を上げるのが順当でしょう。
法律的な観点では、個人の敷地内にあるもの、個人の持ち物とされているものを勝手に周囲が処分することはできません。

行政対応

また、直接ゴミ屋敷の住人に対して強い口調で抗議をするというのも、あまり勧められる方法ではありません。
個人的な関係でトラブルを解決させようとしても、険悪になったり、却って警察から民事不介入として匙を投げられてしまうきっかけにもなります。
個人間のトラブルではなく、あくまでも地域コミュニティ全体の問題として、警察や行政からの注意をしてもらう形での解決を目指すことが重要です。

しかし、警察ですぐにゴミを強制的に撤去するといったことはなかなか行われないでしょう。
それでも、地域の安全面の立場から多少注意してもらうなど、問題を認知してもらうことは重要です。
一対一のトラブルではなく、あくまで地域全体の問題として取り組むことで、行政や警察に注意してもらうきっかけとなります。

3.自治体によっては対応する条例を作っています

地域の自治体によっては、こうしたゴミ屋敷を呼ばれる状態の建物に特化した条例を制定しているところもあります。
その数はまだ多くはなく、東京都でも全体の2割弱ほどですが、お住まいの地域のゴミ屋敷で悩んでいる場合には、住んでいる街区の自治体が条例を制定していないか調べてみましょう。

調べる

条例の内容にもよりますが、ゴミ屋敷として条例での処分の対象となると、自治体の権限での行政代執行を行って、公道や近隣にはみ出たゴミを処分してもらうことができます。

また氏名や住所の公開、自治体からの注意、見回りといった形で、ゴミ屋敷の住人に一定の抑止効果を与えることもできます。
ゴミの撤去にかかる費用についても、基本的にはゴミ屋敷の住人負担となりますが、現実的にそれでは回収不能な場合も多いです。
そのため、杉並区などの一部自治体では一定の上限金額を定めたうえで、公的資金からのゴミ処理、撤去を進めています。

しかし、公道や近隣の敷地などにはみ出したゴミについて処分できても、ゴミ屋敷の住民の家の中のゴミまでにはなかなか手が出せないのが現状です。
こういった家の中の物品は、たとえそれが外からみて明らかにゴミであっても、個人の持ち物としてむやみに周囲の人間や行政が立ち入って処分できません。
公道や近隣の敷地にはみ出して放置されているゴミについては、行政代執行によって多くのゴミを処分できても、家の中であると貴重品との区別もつきにくいことから、行政が処分するといった形にはできないのが現状です。

MEMO
静岡県三島市の事例では、ゴミ屋敷の住人のうち1人の身の安全が不明といった理由で、高齢者虐待防止法を根拠に、居室まで入りこんで本人の安否を確認した例もあります。
しかしこの場合も、強制的に住人の居場所を移動させることや、ゴミをすべて廃棄するといった根本的な解決には無論至りませんでした。

4.泣き寝入りの現状、現実的な解決について

注意
ゴミ屋敷の敷地の外である公道や、近隣の別の住民の敷地まではみ出したゴミについてはある程度、行政や警察に根強く訴えていくことで行政代執行にまで至らせて処分することは可能です。

しかし、ゴミ屋敷となっている場所の当人の敷地内のゴミについては、なかなか周囲の手によって処分することが難しいというのが現状です。
一定の時期を決めて様子を見たうえで、周囲の住人の方が引っ越しをするというのが現実的な解決方法となってしまいます。

地域の輪

また、ゴミ屋敷の住人自体が、暴言や暴力、間接的に流言のもとになるなどの近所トラブルの基となっている場合が多いため、身の危険を感じて周囲の住人が先に引っ越してしまうというケースが残念ながら多いのが現状です。

5.「近所がゴミ屋敷だった時はどうしたらいいの?」まとめ

  1. ゴミ屋敷は臭い・害虫や害獣・火災や崩壊の危険といった迷惑を近隣に及ぼしています。
  2. ゴミ屋敷の住人はゴミ以外の面でも近隣住民とトラブルを抱えている場合が多くあります。
  3. 警察や行政には、個人間のトラブルではなく地域の問題として相談することが重要です。
  4. 一部自治体では行政代執行による、はみ出たゴミの処分をおこなっていますが、ゴミ屋敷本体に立ち入ってゴミを処分することは難しいといえるでしょう。
  5. 結果的に、周囲の住民が先に引っ越す形で解決とするケースが残念ながら多くあります。