【年間200件の事例】から学ぶ「孤独死対処方法」

【密着】特殊清掃の現場・仕事場とは

孤独死を発見

特殊清掃について調べていますか?
身内の方がお一人で亡くなられたり、事件・事故に巻き込まれた等、室内へのご遺体による影響にお悩みでしょうか?
もしくは、特殊清掃という仕事に就くことに興味をもって調べていらっしゃいますでしょうか。
このページでは特殊清掃の現場、仕事場でのことについて、具体的に説明していきます。

1.特殊清掃とは

まず、特殊清掃とは、ご遺体の影響のある場所からその影響を取り去ることに特化した清掃・リフォーム作業などの作業を指します。
例えば、血液や体液の付着した遺品の片付けや、部屋に立ち込めてしみ込んでしまっているご遺体由来の死臭の消臭などがその具体的な作業になります。
他にもご遺体に発生してしまった害虫の駆除、建材にしみ込んでしまった血液や体液の影響を洗浄し、場合によっては壁紙や床材をはがしてのリフォームを行うなどの作業があります。

MEMO

特殊清掃が必要になる場合は、ご遺体が何らかの事情で死後しばらくそのままになっていた場合が多くあります。
年間3万人と呼ばれる孤独死、また事件や事故に巻き込まれての死、自殺などがその原因です。

特に孤独死は、年配の人だけでなく、特に都市部で周囲とあまり関わらず一人暮らしで生活している若い年代の人にも起こっているといわれ、社会問題にもなっています。
孤独死の定義は、何らかの事情で家族・親族・地域コミュニティから切り離された状態の方がお一人で誰にも看取られずに亡くなることです。
その直接の死因は病死、事故死、事件死、自殺など様々ですが、死後しばらくそのまま発見されないこと、また人生の最期を一人きりで迎えることは大変痛ましいことです。

こういった孤独死を扱うことの多い日本の特殊清掃は、海外でも「世界で一番悲しい仕事」として取り上げられています。
ですが、悲しみに暮れる遺族を専門的知識と技術でサポートするこの仕事は、現代の日本社会にはなくてはならない仕事だといえるでしょう。

近年、一部で脚光を浴びている特殊清掃という仕事の仕事場で欠かせない品や、その仕事場で見られる光景について次にお伝えします。

2.特殊清掃の仕事場で見られる光景

特殊清掃は、ご遺体の影響が見られる部屋、建物や部屋の原状復帰のために行う作業です。
具体的には、血液や体液で損傷した建材の洗浄やリフォーム、また死臭の消臭、ご遺体に発生した害虫や害獣の駆除など多岐にわたる作業内容があります。

実際にその現場を見たことがない多くの人にとっては、ご遺体のそばで行う、怖い仕事、危険な仕事といったイメージがあるかもしれません。
また心霊的なものを信じる人にとっては、亡霊や死者の恨み、呪いといったイメージを強く持つ人もいるでしょう。

しかしまず、ご遺体そのものに触れて仕事をするかというと、必ずしもそうでない部分が多いです。
それどころか、実際にはほとんどご遺体と対面することはないといってもいいでしょう。
基本的な流れとして、ご遺体である亡くなった方の身体は、警察の検視作業や現場検証などの後、その部屋から運び出されます。
その後、警察の規制が解かれてから、遺族や関係者の依頼を受けた特殊清掃業者が部屋に入ることになるので、一部のケースを除き、多くの場合は特殊清掃業者がご遺体に直接触れて作業することはありません。
ですので、特殊清掃と聞いて皆さんがその光景を何となく想像するであろう、ご遺体がある場所での仕事という認識は実は少し間違っているといえます。

では一部のケースがどのような場合かというと、部屋にあったご遺体が激しく損傷していた場合になります。
例えば、お風呂の湯船に入ったまま病気などで突然死し、その死後かなり時間がたってから発見された場合などは、お湯にご遺体の一部が水に融解した状態で浴槽内に溜まってしまっていることなどもあります。
このような場合、もちろんそのまま下水に流すと下水管が詰まってしまいますし、また倫理的にも問題がありますので、特殊清掃業者が沈殿したご遺体の一部を掬い、しかるべき処理を行うこととなります。

また、布団の上で吐血などを伴う激しい発作を起こし、そのままお一人で亡くなった場合などもあります。
ご遺体の運び出しの際には、あくまでご遺体の身体のみが対象となることから、大量の血液や体液はその後布団にそのままになっています。
こういった場合の特殊清掃業者の仕事は、血液や体液を含んだ布団を袋に入れる、シートでくるむなどの養生をした状態で運び出し、処分をする作業になります。

こういった事例からもわかるように、特殊清掃はご遺体の痕跡の残る場所、またご遺体の一部に対して行われる作業です。
その仕事場となるご遺体のあった現場では、亡くなられた方の痕跡、場合によってはご遺体の一部のある光景を日常的に見ることとなるでしょう。
直接ご遺体を見ることがなくとも、間接的にその存在をうかがい知りながら行う仕事が、特殊清掃の仕事であるといえます。

こうしたご遺体に関連する仕事に際して一般の人は、心霊的な局面について気になるでしょう。。
実際、特殊清掃という仕事に就く人の多くはあまり積極的に信じてはいないようです。
日常的にこうしたご遺体のあった現場に赴くことも多いため、やや感情的、感覚的に鈍麻する部分もあるかもしれません。
もともと霊的なものにあまり感性が鋭くない人ほど、こういった仕事を続けやすいといった側面もあるでしょう。
しかし、死者に対する畏敬の念、例えば部屋の前で手を合わせるなどの行為はしっかりと持ったうえで、プロとして仕事を全うするその姿勢は尊敬に値するといえます。

特殊清掃の現場となるご遺体のあった場所は、故人の住居であったことが多く、その場合に扱う家具や調度品などは故人の遺品となります。
どの品を廃棄し、どの品を遺族や関係者の手元に置くといった判断も必要となるので、特殊清掃と合わせて遺品整理と呼ばれる別作業として物品の整理が行われる場合も多くあります。
作業そのものに豊富な経験と知識、資材が必要となる特殊清掃と、一般のリサイクル回収業者とやや類似したことのある遺品整理ですが、同じ現場での作業になることから同じ業者が兼ねて作業をする場合が多いです。

MEMO

多くの特殊清掃業者では最近では遺品整理と合わせた特殊清掃の作業料金見積もりを出したり、一部行う作業内容をあらかじめ決めたパック料金を提示したりしています。

費用面の負担などの問題で、遺族や関係者が遺品整理作業のみを自分たちで行うケースも以前は多くありました。
しかし、故人の死の直後に、その痕跡の残る品を片付けたり分別したりする作業を遺族のみで行うことは、かなりの心の負担にもなります。
こういった作業を行うことが、故人を安らかに送り出すといった本来の遺族の役割の妨げとなってしまっては意味がありません。
そのため、特殊清掃業者にまとめて遺品整理も依頼するといった人が最近は増えています。
また遺族の立ち合いの下で、具体的な作業は業者に任せる等、様々な形態の遺品整理、特殊清掃のやり方があるといえます。
十分なプロ意識をもって誠実に作業に当たってくれる特殊清掃業者の存在は、遺族にとって大きな助けとなることでしょう。

3.特殊清掃の仕事場に欠かせないもの

特殊清掃の現場に欠かせないものとは何でしょうか。
まず第一に、養生のためのシートやそれを留めるテープ類といった養生用品があげられます。

特殊清掃の現場では、血液や体液の付着した遺品を多く取り扱います。
これらの血液や体液は、死臭と呼ばれる強い臭いのもととなり、また建物の建材を腐食していためてしまったりするため、作業時に余計に周囲の別の場所に付着させないことが重要です。
そのため、血液や体液の付着した遺品、例えば家具や調度品などを運び出す場合は、シートやテープ類を使ってしっかりと養生したうえで運び出す必要があります。

次に欠かせないものは、マスク、防護服などの作業者の身に着ける品です。
特殊清掃を必要とする部屋の状態としては、孤独死などの理由で長期間ご遺体がそのままになっていた場所が多くみられます。
人間の体は死後そのままにしておくと3日程度で腐敗を始めるといわれ、同時にウジやハエなどの害虫が発生してしまうこともあります。
ご遺体の腐敗臭は死臭ともよばれ、人間の本能に訴えかける強烈な臭いになります。
こうした死臭の影響や、ご遺体由来の血液や体液による不用意な疾病への感染をできるだけ防ぐため、作業時にはマスクや防護服を着用した上で初期の作業を行う特殊清掃業者が多いといわれます。

もちろん、作業内容や、室内の状況によっては軽装で特殊清掃の作業を行う場合もありますが、先に述べた養生用品と同様に、特殊清掃業者の多くは作業車にマスクなどの作業者の身を守る品を備えています。

また、オゾン発生器を用いた特殊な消臭法、オゾンショックトリートメント法を使っている場合は、機器の操作等の際にオゾンに曝されることのないように、そのためのマスクや防護服も用いられています。

MEMO

オゾンショックトリートメント法とは、状況に合った消臭剤の使用に加え、部屋を密閉した状態でオゾンを部屋に充満させて消臭を行うことで、非常に強力な消臭効果を得ることができる消臭方法です。
専用の機械と電源があれば、オゾンを空気中の酸素から生成することができるという点、また非常に効果が高いという点で、近年の特殊清掃業界ではオゾンショックトリートメント法はとても注目されています。
しかし、オゾンは生物や人体にも有害なため、その取扱いや、機器の操作には専門的知識やしっかりとした防護対策が必要になります。
このように、特殊清掃の作業には作業に際して必要な物品、不可欠な用品があります。

4.「特殊清掃の現場・仕事場とは」まとめ

  • 特殊清掃では、基本的にご遺体そのものに触れて仕事をするわけではありません。
  • 養生用品、作業者を不用意な感染や死臭の影響から守る防護用品は特殊清掃の現場に欠かせません。