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【年間200件の事例】から学ぶ「孤独死対処方法」

海外の特殊清掃事情

1.特殊清掃についてお調べですか?

特殊清掃という言葉を耳にして、どういった仕事、どういった業務内容かと疑問に思っていらっしゃるでしょうか。

特殊清掃とは、ご遺体のあった場所や部屋を、ご遺体由来の影響から原状復帰させるための専門的な清掃や作業のことを指します。
血液や体液による建材の傷みからの原状復帰や、独特の死臭についての消臭、またウジやハエ、ゴキブリなどの害虫の発生の駆除、繁殖の食い止めなどが日本における特殊清掃業者の主な作業内容になります。

Pest Control Exterminator Spraying Retro

一般的に日本では、いわゆる孤独死といわれる事態が起きた居室や、事件事故、犯罪死、自殺が起きた部屋の片付けなどを行うのが特殊清掃の業者の仕事になります。
また多くの特殊清掃業者は、特殊清掃に併せて遺品整理、特殊清掃だけではご遺体の影響を除去できない場合の建物のリフォームについても取り扱っています。
こういった内容の仕事は、アメリカなどの海外ではどのように扱われ、また行われているのでしょうか。

今回このページでは、海外、特にアメリカでの特殊清掃分野の仕事について、また日本の特殊清掃業者との比較について紹介します。

2.海外の特殊清掃事情

日本の特殊清掃と同様に、事件や事故、犯罪死や自殺の場合の片付けを行う業者は海外にも存在します。
例えばアメリカ、ニューヨークを基点として展開しているBioRecovery社は、犯罪現場の片付け、清掃、原状復帰を主な業務としている特殊清掃業者です。

BioRecovery社では、日本の特殊清掃業者と同じように、自殺死のあった現場や、長期間発見されなかったご遺体のあった部屋の片付け、クリーニングについても引き受けています。
この会社は主に血液の影響を受けた場所のクリーニングを主眼とし、他にも、エボラ出血熱のウィルスの除染、医療廃棄物などの感染の危険のある物品の処分、アスベストや鉛を含有した建材の除去、催涙ガスの影響のある空間の除染作業などを行っています。
およそ生物的、化学的な汚染箇所について、包括的サービスを提供している会社となっています。

BioRecovery社は、生物的、化学的汚染の除染のライセンスの他に、海洋での油の流出に際して除染を行うためのライセンスや、放射線の影響を受けた場所の除染についてのライセンスなど、広い分野について専門知識、実務能力や資格を保持しています。

中心には人間の血液、体液の影響を受けた場所のクリーニングがありますが、その業務分野が非常に広く、人体に有害なすべての物質、空間について除染や処分を請け負っていることが、日本の特殊清掃業者とは大きく異なっているでしょう。

日本の特殊清掃分野に関しては、ご遺体由来の独特の死臭の染み付きや、ウジやハエ、ゴキブリなどの害虫の発生、ご遺体の影響による建材の傷みについての部分の問題解決を謳う業者が多くあります。
賃貸物件などの場合は、次に貸し出しをする際のために建物をご遺体の影響から原状復帰させる
といった形の業務内容が多いです。

またハウスクリーニングと呼ばれる通常の清掃業務ともやや隣接した業界として捉えられている部分が大きく、広く清掃をおこなう業務のなかの一つとして特殊清掃といった名称がついている部分があります。

しかし、BioRecovery社をはじめとしたアメリカの業者のサービス宣伝では、ご遺体由来の血液や体液による、後にその場所に立ち入った人への伝染病への感染を防ぐことを最重要項目として前面に押し出しています。
清掃というよりは、感染予防、危機的状況の収拾といった、より緊急性の高い業務としてこういった仕事が捉えられており、社会や一般国民の危機を救う仕事として、日本の水準よりも高めのサービス料金や賃金が設定されています。
事件や事故があったあとすぐにその場所に立ち入る人の生命をまず守るといった観点のサービス内容になっており、そのため特殊清掃業者では24時間365日の電話受付、インターネット受付を行っているのが大きな特徴です。

BioRecovery社ではiPhoneアプリなどの配信も行い、特殊清掃サービスの利用を希望する人がいつでも最寄りの業者に連絡することのできる体制を構築しています。
議会や外部会議でのロビー活動を行う業界団体も結成されており、業務を行うための資格や研修についても、生命をまもるための業務という観点から、日本の特殊清掃業者よりもより厳しい内容となっている業者が多いようです。

3.海外ならではの特殊清掃業務について

次に、日本ではあまり見られない、海外にしかない特殊清掃業務について紹介します。
アメリカの特殊清掃業者で特徴的なことは、「methamphetamine lab」(メタンフェタミンラボ)と呼ばれる、覚せい剤の精製を行っていた場所の検査、原状復帰、清掃や化学的除染について取り扱っている点です。
日本ではあまり考えられない事態ですが、アメリカをはじめとした海外では、一般の居住用の建物やガレージの一角で覚せい剤をはじめとした違法薬物の密造を行う犯罪者が多く存在します。

また違法薬物が日本と比べて社会全体に広く蔓延していることもあり、密造した覚せい剤を一般の居住用の建物内で使用する薬物中毒者も非常に多いとのことです。
もちろん違法薬物そのものの社会への悪影響も大きな問題ですが、こういった覚せい剤の精製作業、また使用を行っていた場所の跡地にそれと気付かずに人々が立ち入ったり生活したりすることによる、有害な化学物質由来の健康被害についても大きく問題になっています。

アメリカでは、中古の一戸建て物件を購入した後、原因不明の体調不良に見舞われた場合、
物件が過去に覚せい剤密造施設であったことや、薬物中毒者が覚せい剤の使用を行っていた場所であることを疑う必要があると言われています。

覚せい剤などの違法薬物精製時、使用時に発生する化学物質そのものは、人間が臭いや目で確認できる形では発見できないため、健康被害が起こってから初めてその存在が発覚するケースが多くあります。
こういったケースに対して、アメリカの特殊清掃業者はまず一般の居住用の建物での化学汚染の可能性をチェックする作業、また必要な場合は適切な除染清掃、建物の原状復帰作業について取り扱っています。

他にも、いわゆる催涙ガスと呼ばれる有毒ガスが充満した空間の除染について、アメリカの特殊清掃業者は大きく取り上げて扱っています。
アメリカの警察は、銃や武器を手にしていない容疑者への手段として催涙ガスのスプレーを採用しているため、鎮圧された後の犯罪現場に催涙ガスの影響が残っていることがあります。
催涙ガスにはさまざまな種類があるため一概には言えませんが、長くその場所にとどまって、呼吸器をはじめとした全身に深い影響を残す種類の催涙ガスも存在します。
そういった場所の除染、空間のクリーンアップにも、専門の防護マスクや防護服を備えた特殊清掃業者が活躍しています。

また、日本でいわゆるゴミ屋敷と呼ばれるような、物の異常なまでの収集癖、猫や犬などの動物の度を越した大量飼育への対策についても、アメリカの業者は大きく取り上げて原状復帰を請け負っています。
こういった物の収集癖、動物の大量飼育については「Hoarding」(ホーディング)と呼ばれており、アメリカでも社会問題となっています。

さらに、アメリカの一部の州では洪水や大規模な自然災害が多く発生するといった理由もあるのでしょうか、特殊清掃業者では下水のあふれや洪水の影響からの建物の原状回復といった分野についても取り扱っています。
日本で言うところの水周りトラブルや自然災害からの復旧の分野にあたります。
特殊清掃の業務に従事する人々の中には、この仕事につく前に消防士や警察、獣医師や医師、救急救命士、軍隊での業務に当たっていた人が多くいるとのことです。

このように、アメリカでの特殊清掃業者とは、ご遺体の影響だけにとどまらず、バイオハザードとよばれる生物的、科学的な危機的状態、または感染症の危険から人々を守るクリーニング業務すべてについて扱っている業者になっています。

4.日本の特殊清掃業者が海外から注目される点

インターネットや海外のテレビ番組などで、日本の特殊清掃業者が海外から注目されている点がひとつあります。
それは、日本の特殊清掃業者の多くが孤独死、孤立死の事態に対して主な業務を展開しているといった点です。

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孤独死、孤立死とは、何らかの事情で家族や親族、地域コミュニティから隔絶された状態にあった人が、誰にも看取られることなく、お一人で亡くなられる事態のことをさします。
多くの孤独死、孤立死の現場では、そのご遺体が死後しばらく誰にも発見されずに放置されることにより、ご遺体由来の血液等の影響や、独特の死臭といわれるご遺体の腐敗臭、さらにはハエやウジ、ゴキブリなどの害虫の発生により凄惨な事態となることが多く見られます。
日本のような先進国といわれる場所、また比較的個人主義でなく家族や血縁を大切にする文化が根付いていると思われる国で、こういった孤立死、孤独死が社会問題になるほど頻発し、特殊清掃業者が図らずも活躍していることに対して、海外からはショックを隠せないといった声が寄せられています。

過去にはイギリスの新聞で、日本の特殊清掃業者は「世界一悲しい仕事」として取り上げられたりもしています。
こういったニュースの中でただ一点、日本人に対して賞賛されている箇所は、特殊清掃業者がご遺体のあった部屋に対して手を合わせてから仕事に取り組む写真が報道された際の、日本人の死者への畏敬の念の表れに関する所です。
日本人が古くから持っている、死者や先祖に対する独特の畏敬感情については、海外でも尊い観念として評価されているようです。

5.「海外の特殊清掃事情」まとめ

  • 日本の特殊清掃と同様に、事件や事故、犯罪死や自殺の場合の片付けを行う業者は海外にも存在します。
  • ご遺体の影響だけにとどまらず、バイオハザードとよばれる生物的、科学的な危機的状態、または感染症の危険から人々を守るクリーニング業務すべてについて扱っている業者になっています。